ようやく、花粉症を主訴に来院される患者さんのピークは過ぎた感じですが、「薬を飲んでいたが鼻水が止まらない」という方が増えてきている印象です。

たいていは、鼻の中を見ると膿性鼻汁か粘っこい膿交じりの鼻汁があることが多いです。鼻をかんで色が付いている場合は要注意です。副鼻腔炎の兆候です。すぐにお近くの耳鼻咽喉科に行って診察を受け、抗生剤を投与してもらい治療することをお勧めします。漫然と抗アレルギー薬だけを飲んでいても治らないばかりか、蓄膿が悪化してしまいます。

花粉症で鼻内の粘膜が腫れる→副鼻腔の出口が狭くなる→自然排泄できなくなる→細菌が繁殖するというメカニズムと思います。

今年の花粉はひどいですね。内服していても、多少楽になるぐらいで「効いているの?」という時も多かったように思います。これは、暴露する花粉の量に依存すると思いますので、致し方ありません。市販の抗ヒスタミン剤はものすごく効くものもありますが、多くは血管収縮剤が入っていたり、第一世代の抗ヒスタミン剤が多く入っていたりしており、副作用もそれなりにあります。市販薬でも第二世代の抗ヒスタミン薬が多くありますので、そちらのほうがまだマシですが、効果不十分の場合は耳鼻科で相談してください。いろいろなオプションがありますので、たいていの患者さんには満足いただけると思います。

ただし、市販の点鼻薬を頻回に使用している方をたまに見かけますが、その場合、どんな薬を内服しても、点鼻薬をしても、効果がない(満足できない)印象です。市販の点鼻薬にはやはり血管収縮剤や添加物が多く含まれ、その点鼻薬による鼻炎になっているのです。こうなると、外科的に手術するしかありません。気を付けましょう。